解決事例
解決事例のご紹介

外貌醜状(併合12級)で900万円増額した事案

20代男性(愛知県名古屋市)

受傷部位 外貌醜状、歯牙障害など
等級 併合12級(外貌醜状、歯牙障害など)
解決金額

約1300万円

約900万円UP

保険会社提示金額
約400万円

事故の概要

名古屋駅前の横断歩道を歩行中の20代男性が、トラックにはねられて受傷した交通事故。
弁護士依頼前に、外貌醜状や歯牙障害などで後遺障害等級併合12級の事前認定を受けていた。

ご相談者様のご要望

相手方任意保険会社から提示された金額が妥当か知りたい。
外貌醜状や歯牙障害などの後遺障害について適正な賠償を受けたい。

この事例の争点

当初ご相談された時点で、相手保険会社からの提示額は既払い金を除いて約400万円でした。
その内訳をみると、後遺障害逸失利益について、外貌醜状が十分に評価されていませんでした。
また、休業損害や傷害慰謝料、後遺障害慰謝料も低額に抑えられていました。
さらに、歯牙障害についてインプラントの治療も施されていたところ、インプラントは更新や定期的なメンテナンスが必要であり、その費用に全く触れられていませんでした。
そこで、弊所が代理人となって相手保険会社の担当者と交渉しましたが、納得のいく金額の提示がなく、やむなく訴訟提起して争いました。

解決内容

訴訟上の和解により、概ね以下の内容で終結しました。

加害者から依頼者(被害者)に対して、約1300万円(既払い金除く)を支払う。

<内訳> 
休業損害  350万円(一部既払い)
傷害慰謝料 230万円
後遺障害慰謝料 290万円
後遺障害逸失利益 560万円(喪失期間は67歳まで、最初の10年は8%、その後は4%の労働能力喪失率、基礎収入は全年齢平均の賃金センサス約560万円)
インプラント更新・メンテナンス費用 120万円
調整金 120万円

当初の相手保険会社提示額約400万円から約900万円増額しての和解となりました。

ポイント

外貌醜状の後遺障害については、労働能力への影響がないものとして後遺障害逸失利益を認めない考え方が根強く、保険会社は勿論、裁判所も消極的です。 (この事件では、依頼者側の任意保険会社の担当者も消極的でした・・・。) そのため、訴訟で有利な結果を得るためには、類似のケースで外貌醜状の後遺障害を認めた裁判例を多数挙げる等して、裁判官を説得する必要があります。 この事件では、横浜地判平成26年1月30日、神戸地判令和2年6月11日などの裁判例を参考にしました。 また、見落とされやすいのですが、インプラントの更新やメンテナンス費用についても、これらを損害として認めた裁判例(仙台地判平成24年2月28日)がありますので、しっかりと主張(請求)する必要があります。