傷害事故による損害賠償請求
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わたしの親類が車と衝突する事故にあってしまって、
足を骨折してしまって・・・ -
それはお気の毒に・・・人身事故ですね。
怪我をされてしまったのなら、傷害事故になります。
交通事故は、大きく分けて「人身事故」と「物損事故」があります。「人身事故」とは、事故によって人が怪我をしたり(身体に傷害を負う)、死亡してしまう事故のことをいいます。この「人身事故」のうち、被害者の方が身体に傷害を負った場合の事故のことを「傷害事故」と呼びます。
傷害事故における損害賠償の種類
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しばらく入院しなければいけなくなってしまったので、
会社を休まなくてはならないのですが・・・ -
交通事故によって会社を休まなくてはいけない場合、
「休業損害」が認められます。
積極損害と消極損害
交通事故によって傷害を負った場合、被害者は身体的、財産的損害を負うことになります。
このような損害は加害者に賠償請求することができます。
傷害事故における損害賠償には、「積極損害」と「消極損害」があります。
積極損害とは
積極損害とは、治療にかかる実費や通院にかかる交通費などの費用を損害と認めることです。
積極損害と認められるのは下記のような費用です。
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治療費
入通院・治療費のほか、特別室(個室)使用料や鍼灸、マッサージあるいは温泉療法費など
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付添看護費
年少者や介護が必要な場合の入院付添費、通院や自宅療養の付添費、付添のためにアルバイトを雇用した場合のアルバイト料など
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交通費
被害者と付添人の通院にかかる交通費や宿泊費、見舞いのための交通費、そして傷害が重篤で、家族が駆け付けた場合の交通費
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家屋・自動車などの改造費
後遺障害が残り、家の出入り口や風呂場、トイレなどの改造や自動車の改造が必要な場合の費用や引越し、転居費用、ベッドや椅子などの購入費用など
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義肢・かつらなどの装具
義⻭、義眼、義手、義足、歩行補助具、かつら、補聴器や盲導犬費用など
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子どもの学費
入院や療養により学習進度が遅れた場合の補習費や家庭教師への謝礼、留年した場合の支払済みの教育費、被害者が養育者のため、養育・監護できなくなったために発生した保育費
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その他
事故の調査・立証するためにかかった費用、ペットの飼育・保管費用、旅行のキャンセル料など
消極損害とは
消極損害とは、治療のために仕事を休んだことによって生じる収入の減少など、
事故に遭わなければ、被害者が将来得るはずだったと予想される利益を失ったことによる損害をいいます。
休業損害とは
休業損害とは、交通事故による傷害によって休業したために得ることができなくなった収入のことを言います。交通事故によって傷害を負った場合、傷害に程度によっては仕事をすることができなくなり、傷害を負わなければ得ることができた収入を、休業損害として加害者に請求することができます。
逸失利益とは
逸失利益とは、交通事故で後遺症が残ってしまったとき、後遺症のせいで本来健康であれば得られるはずだったが得られなくなってしまった収入のことです。 逸失利益には、後遺症逸失利益と死亡逸失利益があります。
傷害事故における慰謝料
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交通事故に遭って腕を骨折してしまったので、治療のために
2ヶ月通院することになりました。
仕事も休むことになり、精神的にも参ってしまっています。 -
交通事故によって負った怪我の治療などで入通院が必要な場合、
怪我の治療費などの実費以外に、入通院や治療することへの
苦痛に対する慰謝料を請求することができます。
また、後遺障害や死亡してしまった場合、
それに対する慰謝料を請求することができます。
交通事故によって傷害を負った場合、被害者は身体的、財産的損害だけではなく、ショックから精神的苦痛を被ることになります。
そのため、精神的な損害の賠償も請求することができます。
慰謝料とは
交通事故に遭ったために受けた身体的・精神的苦痛を、加害者に損害賠償として請求することができます。
被害者に後遺障害が残った場合や死亡された場合など、状況によって請求できる慰謝料に関する規定や相場が違います。