判例紹介(過失割合) 駐車場内で通路を走行中の車と駐車区画からバックしてきた車の衝突事故
監修:弁護士 西野智貴( 弁護士への相談はこちら ☞ お問い合わせ・無料相談予約 )
神戸地判平成21年10月21日
駐車場内において、通路を走行中の車に、駐車区画からバックしてきた車が衝突した事故について、過失割合を判断した裁判例をご紹介します。
事故態様
X車が、本件事故現場を走行していたところ、左側の駐車区画から後進して出てきたY車の左後部がX車の左側面後部に衝突した。衝突後もX車は車両の向きが変わらないまま2m走行し、Y車も1.1m後進した。X車は衝突地点から8.4m手前の地点で、Y車を発見したが、他方Y車は、衝突するまでX車の存在に気づかなかった。
裁判所の判断
過失割合 車(X)30%:車(Y)70%
本件事故は、Y車が路外から道路進入して事故を起こした場合と類似しているといえる。
ただ、駐車場においては後進で通路に進入してくる車両が相当数あるのが通常であり、それらの車両は後方の注意を十分に払うことが必ずしも容易でないことがあるため、駐車場通路を走行する車両は通常の道路を走行する場合と比べ、後進での進入車の存在により注意を払う必要がある。しかも、X車は衝突地点から8.4m手前の地点でY車を発見しており、Y車が後進を開始した状況も視認できたと考えられる。
以上の点を総合的に考慮すれば、X車とY車の過失割合は、30:70とするのが相当である。
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