交通事故コラム

判例紹介(過失割合) 駐車場内で切り返しのために通路に出た車と通路を左折して進行してきた車の衝突事故

監修:弁護士 森戸尉之( 弁護士への相談はこちら ☞ お問い合わせ・無料相談予約 

大阪地判平成20年2月19日

駐車場内において、一旦入った駐車区画から切り返しのために通路に出た車と、通路を左折して進行してきた車が衝突した事故について、過失割合を判断した裁判例をご紹介します。

事故態様

X車は、駐車区画に駐車しようとして後退し、一旦駐車区画内に車を収めた。
しかし、X車と右側の駐車区画に駐車されいた車との間隔が狭かったことから、X車は、もう一度前進して切り返し右側の間隔を広くとろうと、ゆっくりと前進した。
X車がゆっくりと前進したところで、X車を運転するXは、X車の右側からX車が進出している通路へと左折進行してくるY車を確認し、X車を停止させた。
その直後、進行してきたY車と接触した。
Y車においては、左折しながら進行し、X車を認めたものの接触した。

裁判所の判断

過失割合 車(X)30%:車(Y)70%

Y車には、X車とY車の位置関係に関する認識を誤ったか左折時の操作が不適切であった過失により本件事故を発生させたものと認められ、民法709条に基づいてX車に生じた損害を賠償する責任を負い、また、X車には、通路を進行する車両に対する注意が不十分であることや停止すべき時期の判断を誤った過失により本件事故を発生させたものと認められ民法709条に基づいてY車に生じた損害を賠償する責任を負うものというべきである。
また、双方の過失を比較すると、Y車の過失が相当大きいものといえるが、X車については一旦駐車区画内に原告車を収めた後前進したものであることも勘案すると、X車30%対Y車70%として各々の損害賠償額について過失相殺するのが相当である。

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