交通事故コラム

判例紹介(過失割合) 路外駐車場への左折車両と直進自転車との接触事故2

監修:弁護士 森戸尉之( 弁護士への相談はこちら ☞ お問い合わせ・無料相談予約 

東京地判平成17年10月24日

車が左折して路外駐車場へ入ろうとした際に、歩道を走行していた自転車と衝突した事故について、過失割合を判断した裁判例をご紹介します。

事故態様

自転車Xは、歩道を走行。Y車は時速40㎞の速度制限、駐車禁止の交通規制のある道路を進行し、Y車左側のF駐車場に入れた後に後退してY車右側(F駐車場向かい側)のG駐車場に入れようと、F駐車場に左折進入する際、一旦右にハンドルを切って右大回りをした後に左にハンドルを切る形で左折した。そして、Y車は自転車Xと衝突した。

 

裁判所の判断

過失割合 自転車(X)0%:車(Y)100%

Y車はF駐車場に入れた後に後退してG駐車場に入れようと、F駐車場に左折進入する際、左方向(歩道)に全く注意を払わなかった上、ハザードランプを点灯させただけで明確な左折の合図をすることなく、一旦右にハンドルを切って右大回りをした後に左にハンドルを切る形で左折し、後方から進行してくる車両等に誤解を招きやすい運転をした過失がある。

さらに、G駐車場に最終的に入れるつもりだったため、進路前方の遠方にのみ注意を払って、自転車Xを追い抜いたことにも気づかず、結局衝突するまで自転車Xの存在に気が付かなかった過失もある。

他方、歩道は自転車が通行することができるとはされておらず、そこを自転車Xは走行していた他、速度を適宜調整する等して本事故を回避できた可能性を否定することはできないものの、過失相殺を相当とすべき事由があるとまではいえない。

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